不動産売買契約書は取引内容・契約の条件を正確に記述する公文書で、売主と買主の利益を守るための大事な証書です。
不動産売買契約書は担当の不動産仲介会社が宅地建物取引業法に則って作成し、売買が成立した際に
売主・買主に契約事項を説明し、互いに納得の上でサイン・押印します。
不動産契約書には、売買取引に関する重要な項目が色々と明記されています。専門的な内容ばかりですから、
ちょっと読んだだけではわかりにくいかもしれません。
そこで事前に一般的な条項について把握しておくと安心です。
契約書の記載事項がかなり多いので、すべてを細かくチェックすることはなかなか大変です。
そこで、最優先として次の3項目を確実にチェックするように心がけてください。
項目 | 項目の内容 | 確認ポイント |
不動産物件の表示 | 〇所在地や敷地面積、境界、建物など登記に基づく表示 | ●売買される不動産物件が正確に表示されているかどうか ●契約後の実測で売買面積などが契約書と違う場合の対処を明記しているか |
売買の価格と支払いについて | 〇売買の代金の確認 〇手付金と残金の支払い方法 |
●手付金を差し引いた代金の明示と支払日の確認をします。一般的には不動産の引き渡し時とする場合が多い |
登記内容の適正について | 〇所有権移転や抵当権抹消登録の実施日 〇引き渡しの日時 |
●引き渡しや登記は、一般的に代金の支払いが完了した時期 ●抵当権は必ず所有権移転の登記前に抹消されていることを確認 |
不動産売買契約書には売買取引に関する重要な項目が明記されています。
1. 売買物件の情報
2. 売買金額、手付金などの額、支払日
3. 土地の実測および土地代金の精算方法
4. 所有権の移転の引き渡し時期
5. 付帯設備等の引継ぎ
6. 負担の消除(抹消)
7. 公租公課等の精算
8. 手付解除
9. 引き渡し物件の滅失、毀損(きそん)(危険担保)
10. 契約違反による解除
11. 反社会勢力の排除
12. ローン特約
13. 契約不適合責任
一般的には登記簿に基づいて表示されます。
売買対象となる物件が明らかなことが大切です。
売買対象となる物件の金額や手付金がいくらなのか等、買主の支払日が書かれています。
手付金にも種類があり(解約手付、証約手付、違約手付)手付金の金額は適当なのかなども確認しましょう。
土地の面積は登記簿に記載されている面積と、実際の面積と違う場合があります。
売主が引き渡しまでに土地の実測を行うことも多いです。
実測の結果が登記簿情報と違う場合はその差に応じて売買代金を精算することがあります。(実測だけの場合あり)
所有権移転と引き渡しは代金の支払いと引き換えに行われることが一般的です。不動産取引の実務では、
所有権移転に必要な書類や鍵などが買主に渡されて完了することが多いです。
中古物件の場合、売主が設置していた照明やエアコンなど物件の設備をそのまま渡すのか、撤去するのかが記載されています。
付帯設備のトラブルは意外と多いのでしっかり確認しておきましょう。
売却物件を、完全な所有権で引き渡せるのかが記載されています。所有権の完全な行使を阻害する抵当権や貸借権などは
売主によって除かれます。 これらが期日までに整理できないと、引き渡しが遅れる場合があります。
固定資産税や都市計画税といった公租公課を、売主と買主の間で精算するのが一般的です。
予期せぬ出来事で契約を解除せざるを得ないときに、手付解除することもあります。
どのような取り決めになっているか確認しましょう。
契約締結後に天災で建物が全壊するなど、売主にも買主にも責任がない場合の取り決めです。この場合、
一般的には売主が直して引き渡しますが、費用がとても高くなる場合や、住める状態に修復不可能の場合は
無条件で契約を解除できます。
買主または売主が契約違反を犯した場合、相手側は契約を解除することができます。
この場合、違約金というものが発生し、違約金の金額は売買代金の20%以内が一般的です。
2011年6月以降、不動産取引から「反社会勢力の排除」を目的とした標準モデルが導入されています。
「売主も買主も反社会勢力ではない」「購入物件を反社会勢力の事務所などに使用しません」などの確約を確認しましょう。
住宅ローンを借り入れする際、買主に責任がなく借り入れできないと、支払期日までに支払うことができず
契約違反になってしまいます。ローンの審査が不調で終わった場合、売買契約を無条件で解除することができます。
買主がローンの手続きを怠ったなど、買主に責任が場合は適用されません。
売買物件に欠陥があった場合、買主は売主に一定の請求をすることができます。売主は売買契約上の義務として、
「物件の種類、品質、数量に関して、契約の内容に適合した目的物を引き渡す義務」があります。
この義務を果たしていない物件を引き渡した場合には、「契約不適合責任」を負わないといけません。
不動産売買契約書には、不動産契約のすべてが書かれています。
トラブルを未然に防ぎ、良い契約にするためにしっかりと確認しましょう。 売買契約書で不明なところがあれば、
担当の方に聞いてみる事をお勧めします。
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