離婚の経験があるけれど、縁があって再婚をしたいと考えている方がいるのではないでしょうか?
今回は、再婚する際の問題や制限、メリットやデメリットについて紹介します。
離婚率が上昇している昨今、再婚を考える人も珍しくありません。
新しいパートナーと楽しく暮らすために、再婚にあたって知っておきたいことをお知らせします。
男性は離婚した翌日にでも再婚できますが、女性は離婚してから100日経たないと再婚できません。
これは、民法733条に ”再婚禁止期間” 定められているためで、これを ”待婚(たいこん)期間" ともいいます。
民法上、結婚してから200日以上経ってから産んだ子どもは今の夫の子ども、離婚してから300日以内に産まれた子どもは、前の夫の子どもと推定されます。
(722条・嫡出の推定)
その為、もし再婚禁止期間がなかったら、両方の推定が重なる100日間、父親の推定が重複してしまうことに。
これでは子の身分が安定しないので、 "再婚禁止期間" が設けられています。
なお、もしこの期間中に再婚しようと思っても、婚姻届自体が受理してもらえません。
父親が誰なのかという点で混乱が生じなければ問題ありません。具体的には以下の場合です。
●離婚した相手と再婚する場合
●離婚時に妊娠していないと証明された場合
(婚姻届提出時に医師の診断書が必要)
●夫の行方不明、生死不明による離婚
ちなみにこの再婚禁止期間、以前は6か月とされていました。
平成27年の最高裁判決で100日を超える部分は父親の特定に必要ないと判断され(100日あれば父親の特定に支障がない)、それを受けて平成28年に民法が改正されました。
前夫からDV(ドメスティックバイオレンス)があって逃げているような場合、離婚できないままに別の男性との間に子どもができることがあります。
この場合、まだ離婚していないので子どもは前夫の子と推定されてしまいます。
これを避けようと出生届を出さずにいると、子どもは無国籍となり、「進学や就職の際に大きな苦労をする」ことになってしまうので注意しましょう。
民法にある ”再婚禁止期間” には、次のような注解が添えられています。
●前婚中に妊娠が明らかになれば、その子は元夫の子と判断される
●離婚後300日以内に出産した場合も元夫の子と判断される
●再婚日より200日が過ぎて出産した場合は、再婚相手が夫と推定できる
上記の3つのケースであれば、生まれた子の父親がどちらかの判断はついやすいでしょう。
そこで問題となるのが、離婚後すぐに再婚した場合の判断です。
再婚日より200を過ぎて生まれた子でも、タイミング的に元夫の子である可能性が残ります。
そこで「再婚してから200日を過ぎたら再婚相手の子」を確実にする為、あえて女性に「再婚禁止期間として100日間」を義務付けたわけです。
なお、これは親権・扶養義務・相続権を明白にする上でも重要な法律で、今なお女性の再婚を制限する法律として機能しています。
近年のDNA鑑定技術によって、血縁関係は科学的・客観的に判定できるようになりました。
ほぼ100%の確率で自分の子どもかどうか分かりますので、裁判の判決でも「再婚禁止期間」の必要性を否定するケースもあります。
また、女性の婚姻を制限する合理性が見当たらず、いたずらに婚姻の自由を奪う法律と違憲性を唱える判決も出ています。
時代の変化によって、女性の再婚についても法的制限・条件が緩和される可能性が出てきました。
ただし、法的拘束力のある「再婚禁止期間」ですから、離婚後すぐに再婚の届け出を提出しようとしても、役所では受理されないことも理解しておきましょう。
まず、現時点の子どもの戸籍を確認しましょう。
子どもがまだ前夫の戸籍に残っている場合には、一度女性の籍に入れるというステップが必要なのです。
また、離婚の際に女性が新しく自分の戸籍を作ってそこに子どもも入れてある場合でも、その後再婚した際に、子どもは自動的に再婚相手の戸籍に入れるわけではない点に気を付けましょう。
再婚相手と養子縁組をするか、そうでなければ家庭裁判所に子の氏の変更許可をもらって子どもの入籍届を出すことになります。
再婚相手とも、また場合によっては離婚した前夫とも慎重な相談が必要ですね。
離婚後に元夫婦の一方が再婚したからといって、自動的に養育費の金額が変わるということはありません。
ただ、再婚相手と前夫の子が養子縁組をして再婚相手に扶養義務が生じた場合、前夫が家庭裁判所に申し立てをすると養育費が減税されることはありえます。
このように再婚については女性にだけ再婚禁止期間という壁が存在し、また前夫との間に子どもがいた場合には、戸籍や養育費の面でも検討が必要です。
将来、お子さんが困ることがないよう、しっかり準備したいですね。
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