マイホームを買い替えるときに、住宅ローンが終わっていない場合、あるいは住宅ローンなどの借金返済に家を売ることになったとき、住宅ローンの残金をどうするのかが問題となります。
住宅ローンの終わっていないマイホームでも、そのまま売却することはできますが、物件の引き渡しの段階で住宅ローンを完済するのがルールとなっています。
それは住宅ローン会社の抵当権を外すためです。
抵当権がそのままですとローン会社は強制的に売却することができるため、新しい所有者に大きな迷惑がかかります。この点に注意しつつ、住宅ローンが終わっていないマイホームの売却方法を確認してみましょう。
ローンが残っている家を売るために、調べておくべきことを解説します。
はじめに、ローンがあとどれくらい残っているのか確認しましょう。ローンを契約した会社から送られてくる書類で確認するか、銀行へ行き手続することで確認することが可能です。
続いて、不動産会社に査定を依頼し、売りたい家の価格を算出しましょう。この価格は業者によってばらつきが生じることもあるので、複数会社を利用して調べることをお勧めします。
家の販売額でローンの残りを完済できるか確認しましょう。しかし、実際には家を売る際に不動産会社に支払う費用もあるため、不足してしまうことが多いようです。不足分は預貯金などで補填します。
住宅ローンの残りと、住んでいる家の価格を把握したうえで、
住宅ローンが残っている家を売る方法は大きく分けて以下の5つ存在します。
住宅ローンの残りを貯金や退職金、家族の援助などで一括返済することで利息の負担額も減らす事ができます。
不動産会社などの仲介によって家を売却し、売却金を使って残りの住宅ローンを返済します。通常は購入した金額よりも売却する金額の方が安くなるので残りの住宅ローンの金額によりますが、それだけでは完済することが難しいです。
そのため、少しでも高い金額で売却する必要があるので、不動産会社選びを慎重にしなければなりません。
住み替えローンは、住み替える住宅の購入資金と一緒に、残りの住宅ローンの返済額を含めて融資を受けるものです。
住宅ローンを完済できずに住み替える人の多くは、住み替えローンを組んでから売却します。
しかし、売却する住宅と購入する住宅の売買の決済日を同時にしなければならず、返済額がさらに大きくなるので計画的な返済計画が必要となります。
任意売却は、住宅ローンを自身で一括返済ができず、住宅の売却額でも返済できない場合に選択する売却方法です。
任意売却は競売よりも高く売却する事ができ、親戚や近隣住民に売却による経済状況がわかりにくいというメリットがあります。
しかし、抵当権のある金融機関と話し合う必要があるので事前に相談しましょう。
リースバックは、一度住宅を売却し、その後、借主として住むという方法です。通常の売却とは異なり、リースバックでは住宅を買い戻すこともできます。
さらに、住宅の所有権が移動しただけなので近所の住民からはわかりません。その為、家を売却したいけど済む場所を変えたくないという人にはおすすめです。
ローン残金のある住居は、返済を最優先させるためにも売れるまで住み続けるのが得策です。
売れる前に引っ越してしまえば、新しい住居の費用が発生して、ローン返済の負担が重くなってしまいかねません。
なお、マイホーム買い替えのために売却する方も、やはり売れるまで住み続けるべきでしょう。新しい住居の購入に住宅ローンを組むと二重ローンとなり、毎月の返済額が大幅にアップしてしまいます。
不動産の売却には何かとお金がかかりますので、できるだけ余計な出費を避けるのが得策なのです。
売買契約でトラブルを起こさないために、引渡しのときに住宅ローンの完済をします。
つまり、マイホームの売却金でローン全額を一括返済するわけです。
売買契約を結ぶときに手付金が支払われ、引渡し時に残金を受け取ります。
この時に、ローン会社の担当者が同席しますので、住宅ローンを完済して抵当権を抹消するための書類を受け取ります。
この一括返済が遅れたり、返済不能になると大問題です。
そのような場合、ローン会社は抵当権を行使して、強制的に不動産物件を競売で売却してしまうリスクが残りますのでご注意ください。
最も心配すべきはオーバーローンの可能性です。
せっかくマイホームを売ったのに、家を売却したときの代金でも住宅ローンが返しきれないことがあります。
これをオーバーローンといって、売主は不足額を他の手段で調達しなければなりません。
なお、売却には大きな費用がかかります。仲介手数料や印紙税や抵当権抹消の登録免許税など、トータルで売却額の3~4%の費用を差し引いておくようにしましょう。
そこで、売却見込み額については地元の不動産会社などに査定してもらうと良いでしょう。
何件かで査定をしてもらえば、売却見込み額が分かりますし、早く売るための価格設定の判断材料にもなります。
オーバーローンになるとローン会社の抵当権がそのままになりますので、売買契約に大きなトラブルをもたらしかねません。そうならないために、事前に預貯金や家族・親戚などからの借金などで完済できるように準備をする必要があります。
それでも完済が難しいと判断したら、『住み替えローン』を利用すると良いかもしれません。
住み替えローンとは、新たに購入するマイホームの住宅ローンに、残ってしまったローンの残りを上乗せして組むローンのことです。
こうすれば、ちゃんと抵当権を外して引渡しできます。ただし、住み替えローンは担保価値以上の融資になるため、審査がとても厳しいことを知っておいてください。
最後に、マイホームの売却でオーバーローンになってしまった場合、『譲渡損失の売却特例』という税優遇が用意されています。
これが適応できれば、あらかじめ給料から引かれていた源泉徴収分から一定額を取り戻せるようになります。
つまり、オーバーローンの部分の金額を、そっくり給与所得の控除にすることができるのです。
こうして、確定申告で天引きされた源泉徴収税が戻されるので大きな助けになるでしょう。
住宅ローンが残っている場合は、通常の売却よりも選択肢が狭められてしまいますが、売却方法を知らなければ損をしてしまうので事前にしっかりと備えましょう。
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