でも、自己破産をすると「周囲の人にばれるのではないか」「会社をクビになるのではないか」などと不安を感じることが多いのではないでしょうか?
今回は、自己破産をするとどうなるのか、メリットやデメリットについても解説をしていきます。
自己破産とは、裁判所に全ての借金の免除を申請する手続きです。
その時に、マイホームやマイカー、貯金や債券、宝石や貴金属、ブランド品などの自己資産を現金に変え、出来る限りの返済を行ったうえで、借金を免除してもらう債務処理になります。
これで借金苦から解放され、新しい生活の再スタートを切ることが出来ます。
借金をした金額や借入の場所も問われることはなく、借金なら全部当てはまります。
自己破産は、借金を返済する上では最終手段となります。そのため、もちろん良いことばかりではありません。
1.借金の返済がなくなる
自己破産によって、金額にかかわらず借金の返済をしなくて良いことになります。
2.請求や督促されなくなる
自己破産の申し出をして認められれば、法的な処置となるので、お金を貸した人が自己破産をした人に直接連絡することが金融庁によって禁止になります。
その為、債権者は債務者に対して請求や督促をすることが出来なくなります。
3.どなたでも自己破産ができる
無職であっても主婦の方も、生活保護を受給していても自己破産ができるということです。
4.財産は全てなくならず、破産後の財産は残せる
自己破産というと、持っているものを全部なくしてしまう印象がありますが、そうではありません。
以下のものは残すことができます。
・99万円以下の現金
・20万円未満の預貯金
・ベッドや洋服など生活に必要とされるもの
・自己破産の手続き後に取得した財産
1.ブラックリストに載ってしまう
いわゆる世間で言われている「ブラックリスト」という信用情報機関の個人信用情報に登録されます。
この信用情報機関には3種類あり、5年から10年の間、掲載されることになります。
掲載されている期間中は、クレジットカードの作成や利用に審査が通らなくなり、作成や利用をすることができなくなります。
ローンを組むことも同様です。
2.保証人や連帯保証人に影響が出る
主債務者が自己破産をすると、連帯保証人は、銀行などの金融機関から残債務の返済を一括請求されます。
自己破産という手続きでは、主債務者本人の返済義務は免除されますが、保証人にその義務が移ります。
そのため、保証人や連帯保証人の方に多大な影響を及ぼすことになります。
(例) 住宅ローンが払えず自己破産した場合
離婚した元妻が保証人だったため、
元妻に一括請求が発生し、一緒自己破産することになった。
3.一定の財産の売却
生活に必要なもの以外はお金に換えて返済ということになるので、基本的に車や家などは手放すことになります。
ただし、20万円未満は維持できるといわれています。
4.就くことができない職業がある
自己破産の手続きが行われている間、就くことができない職業があります。
例:警備員、賃金業者、司法書士、弁護士、建設業者、質屋など
しかし、破産の手続きが終われば制限はありません。
5.官報に掲載される
国が発行している機関紙に「官報」というものがあります。その官報に掲載されます。
ただし、官報は、金融業者の人や市区町村の税担当者などの1部の人しか見ません。
一般の方は、まず見ることがありません。
1.税金は払わなくてはならない
自己破産になっても公的年金、国民健康保険などの税金は支払うことになります。
また、養育費や罰金なども支払いをする必要があります。
2.必ず支払いが免除されるわけではない
誰でも自己破産が可能とはいっても、ギャンブルや株、高級品の購入などの浪費がある場合には、「免責不許可事由」というものに基づいて、検討されることになり必ず免除されるとは限らなくなります。
しかし、反省の度合いや金額などから考慮される場合もあります。
一概に免除になるかどうかということは、専門家に相談をして手続きなどを進めていく必要があります。
・自己破産は7年間の間隔があれば、何度でも申立て可能
・ギャンブルや浪費の借金でも、自己破産を認められることもある
・クレジットカードやローンの利用は5年以上たたないと難しい
自己破産にはいろいろと費用がかかります。
基本的には郵送費や収入印紙など、裁判所の手続きにかかる費用、財産処分の費用、法律事務所の費用と場合によっては50万円~100万円ものお金が必要となります。
裁判所が差し押さえる程の高価な財産・現金がない場合、自己破産の裁判は簡単に終了します。
申立ての時点で裁判費用を賄うだけのお金(20万円)がないと判断されれば、その場で同時廃止として自己破産が認められます。
そうなると、裁判所に支払う費用は2万円程度、法律事務所は20万円前後で済みます。
なお、法律事務所の費用を後払い&分割でお願いすれば、支払いも少し楽になるでしょう。
処分できる財産がある場合は、それらを現金化して借金返済に充てます。
このとき財産処分をする管財人へ報酬を払わなければなりません。
この管財人がつく自己破産を「管財事件」といいます。
破産申立て人の財産を売却して、そのお金を全て債権者へ公平に分配する費用として50万円以上かかります。
トータルの費用は100万円くらいになってしまいます。
それでは自己破産を利用できない人が多くなるため、裁判所によっては「少額管財」といって、管財人への費用を20万円ほどにし、法律事務所の費用も含めて50万円くらいで済むように配慮されることもあります。
大事にしている愛車やバイク、趣味の高価なアイテムなど、20万円以上の価値のある財産を隠すことや、家族や友人に安く売ってしまう行為は違反です。
また、自己破産の申立ての前に、マイホームなどの不動産の名義を変更することも同様です。
自己破産では、自由財産以外の価値ある所有物を全て差し出さなければなりません。
破産法が定める通りにしなければ、自己破産が認められませんのでご注意ください。
なお、大事な財産を何とか残す方法も安い費用で取り戻す手段もありますから、必ず法律事務所へ相談して良い対策を練ってもらってください。
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